画期的な駐車場

駐車の罰則が厳しくなって、駐車場業界は元気である。
テレビで、画期的な駐車場のことが紹介されていた。その駐車場とは
「駐車待ちのない駐車場」
である。

「駐車場で渋滞にならないとは、客が少なくてすいているということですか?」
「いえ、満車時でも混雑しないんです。」

●一般的に混雑する理由
・1F入り口のゲートでいったん車は停車しなければならない。これがまず渋滞の原因。
(ちなみに、高速道路などで「綾瀬バス停」などは、自然渋滞が発生する有名な場所であるが、これは高速道路の構造が原因。つまり、ゆるい坂道になっており、車が自然に減速するので後続の車も必然的に減速し、しまいにはブレーキを踏んで、渋滞が発生するのである。)
・客は、便利な1Fに駐車しようとする。空くのを待って、1Fのあちこちに停車するからさらに混雑する。

●改善した点
・まず入り口のゲートなくし、車が自由に好きな階に停車せずに行けるようにした。料金は、ゲートで徴収するのではなく、無人コイン式(自動的に車にロックがかかるもの)にし、各駐車スペースで徴収するようにした。
・1Fが混雑しないように、各階ごとに料金に傾斜をつけるようにした。つまり、人気のある1Fは高めにし、上の階に行くにしたがって安くなるようにしたのである。

とても簡単なことだが、画期的である。逆に言えばそういう工夫を誰も今までしてこなかったということでもあるが・・・。
特許も取得したという(本当か?)。

このように、知恵をだして工夫して、事業者も客もプラスになるような改善をどんどんしていってほしいものだ。

1つ気がかりなのは、本当に特許をとったとしたら、他の駐車場は同じシステムを導入できなくなること。公共の利益・全体の利益を考えると、同じシステムが広く業界に普及することが望ましい。なので、ロイヤリティを低めに設定するなどして、この事業者は、他の事業者が同じシステムを導入しやすいようにしてほしい。

ちなみに風呂場での話。シャンプーとリンス、目をつむったまま間違えないようにプッシュするのは難しいが、てっぺんに小さな突起をつけて、手触りで違いがわかるようになっている。あれはもともと花王が権利化することもできたらしいが、業界標準にしようということで、無償で他のメーカーも導入できるようになっているらしい。
利用者にとってはありがたいことだ。

せっかく知恵を絞って権利化できたのだから、この駐車場システムを考案した事業者にエールを送りたい。シャンプー・リンスのように無償提供しろとは言わないまでも、世の中全体の利益になる工夫を、さらに頭をもうひとひねりして考えてもらえたらありがたいことだ。知恵のある会社だと思うから、期待している。