チャックつき小麦粉

便利だな、と思った商品。

日清製粉の小麦粉フラワーや、ママースパゲッティなど、袋にチャックがついているものが発売されている。
今までの、いちいちクリップや輪ゴムででとめたりする手間が省けるので便利だ。
ママースパゲッティにいたっては、100gずつ束になっているので、はかり取る必要がない。

厳しく節約しているときには無理かもしれないが、便利なら多少高くても買う人も多いと思う。

また、
チャックのついていない袋に入ったスパゲッティを、
チャックのついている袋に移したいとき、
束の部分に茹で時間が書いてあるのがいい。
8分か、6分か、間違えないですむ。

便利になったなー、と思う一方で
「何で今までこれくらいのことをメーカーはやらなかったのか?」と思う。

小麦粉の品質なんて、どこも似たようなもんだと思う(こんな言い方すると怒られそうだが)。
商品を選ぶ際、チャックがついていて「あら便利!」と思えば、明らかに高すぎない限りそれを選ぶだろう。
食事の準備をしていて、「ちょっと面倒」などと思っている部分を解決してくれる商品はうれしいのだ。

「おいしさ」は売れる商品の最低限の必要条件だ。
でも売れる要因はそれだけではない。
食品業界は参入障壁が低く、他社品との差別化が比較的難しい業界だと思う。
(スペックがものをいうマニア向けオーディオなどとはわけがちがう。)
メーカーの開発担当は、「おいしさを向上させること」 に目が行きがちかと思うが、
「消費者視点」をもう少しもったほうがいいのではないかと思う。
「使い勝手」など別の要素が商品を選択する際の大きなポイントとなるということ。

この「消費者視点」が大事ということはよく言われることであるが、
家事をやらない人がいくら想像力を働かせたところで、身につくものではない。
「毎日」食事作りをしている人だけがもっているのだ。

メーカーの本社の開発担当者(マーケター)のうち、家での食事作りを恒常的にする人がいったいどれくらいいるだろう?
研究所の開発担当(レシピ作成、試作)には女性も多いと思うが、それでも実家通いで母親に食事を作ってもらっているケースも多いと思う。

食品メーカーに限らないが、「自分自身が顧客となりうる人」が
「自分の欲しいもの」を開発するのは1つのいい方法かと思う。