とある1日

赤ちゃんはかわいい。それが自分の子どもならなおさら。
でもときどき相手をする程度の父親と違い、1日中つきあっている母親はかなり大変だと思う。
家に帰ると、すぐに妻が「はい!パパが抱っこしてくれるからねー。」といって、抱っこしている子どもを手渡されることがある。
かわいいという気持ちがまず第一なのであるが、ぐずったり、ずっと泣かれたりすると「頼むから笑顔でいてくれよ」とも思う。
あるとき「さあ、今からやること(課題)やるぞ!」と思って部屋を出ようとしたとき、妻が子どもに向かって「パパがおむつ・・・」と言いかけた時、どきっとした。
なぜならパターンとして「パパがおむつ換えてくれるからねー」とくるかと思ったから。
でも実際は「パパがおむつ買ってきてくれたからねー、換えようねー」だった。
やれやれ。

最近、子どもは自分が抱かれているときに母親と父親の違いがわかってきているような気がする。前は、おなかがすいているときは口をぱくぱくさせ、ほっぺに手をやるとすぐにそのほうをむいておっぱいを欲しがるしぐさをしたのだが、今はおなかがすいていても父親である自分が抱いてもそうはしない。普段より強い声で泣きわめくだけだ。「パパはおっぱいでないの」と言い聞かせてきたこともあり、「この人はおっぱいをくれない」ということが分かっているに違いない。赤ちゃんは自分の母親のおっぱいのにおいもわかるというし。

また、自分がパソコンに向かっているときに抱っこしているとき、本人と一緒に写った母親の写真を興味深く見ているような気もした。嗅覚だけでなく視覚でも母親を認識しているのか?(まだ早いか?!)。

先日の子どもは昼間ほとんど寝なかったらしく、おっぱいを飲んだあとでもまだ目がぱっちり。疲れきった妻に代わってしばらく抱っこしていた。普段は、おむつを換えおなかも満たされていれば、10分もしないうちに眠りにつく。でも今回は30分たっても、もぞもぞぐずぐずしておとなしくしない。まぶたが落ちてきて寝かかったかな、と思ったらまた泣き出す始末。どうやらまだおっぱいがほしいらしい。妻は疲れ果てて隣の部屋で寝ている。部屋につれていき、子どもが大声で泣いてもいっこうに起きる気配がない。(ふだんはすぐに気づくのだが・・・)

意地悪であるが、そのまま少し泣かせて子どもの様子を観察してみることにした。子どものお風呂の用意をし、洗い物をしながら20分ほどしてもそのままだ。そのうち「泣いてもむだだ」ということが少しずつわかってきたのか?時々泣くのをやめ、また思い出したかのようになきわめく。でも母親は起きない。
困ったなー・・・。
ということでお風呂に入れることにした。
子どものそばにいき、抱きかかえるとすぐに泣くのをやめた。ここは普段とは違った。何かを学習したのだと思う。(「泣いてもだめなときもあるんだ・・・バブー」)すぐにまた泣き出すと思うので早くお風呂にいれよう。


さて、お風呂だがまず着替えの場所がわからん。あたりをつけ、これが短肌着かな、などと探し出し、はじめて一人での風呂入れに挑戦。お風呂はいつも入れているし、子どももお気に入りの様子。お風呂ではおとなしく、おなかのすいたのを忘れているようだ。
つかのまの静寂。ふーっ・・・。
そしてタオルでふき、着替えさせ、また泣き出したところで妻がやっと起きた。「ごめん、ごめん、ごめんねー」といいながらおっぱいをあげると、やっとおとなしくなった。

母親が半日でもいなかったら大変だろうなー、と思った。
子どもを一人で育てている世の中のシングルマザーに敬服。