人間が、自然に対して手を加えていい範囲

スズメバチに寄生し、女王バチを不妊化する線虫が森林総合研究所によって発見されたという。この寄生虫を活用すれば、スズメバチによる被害を減らすことに役立てられる。

人間の都合の良いように自然に対して手を出したいとき、このように自然界にすでに存在するものを利用することはよいことだと思う。人為的度合いが強すぎると、自然界のバランスを破壊したときに修復不能になる可能性がある。砂漠の拡大や熱帯雨林の減少、地球温暖化などは、人間の手が入りすぎた結果だと思う。

自然界に存在するものを利用するといっても、ハブ退治のためにマングースを持ち込むのは人為的度合いが強すぎたと思う。つまり、自然界では、マングースが勝手に沖縄に上陸するなどありえないことである。そのため、生態系が破壊され、希少動物が絶滅の危機に瀕している。

ところで、農薬は作物の効率的な収穫に必要であるし、遺伝子組み換え技術は将来の人口増に伴う食料危機回避の手段として有望視されている。
その一方で、無農薬野菜や有機農法がもてはやされ、遺伝子組み換え食品は多くの人が嫌う。これらに限らず、科学技術の産物は、人間の生活に役立つ一方で、嫌われ者であることも多い。特におなかに入るものについては。

技術の産物の副作用的な部分、つまりマイナスの側面については明らかでない部分も多いし、人間は本能的にそういったものを回避する傾向があるのだと思う。
極度に人為的・人工的なものは嫌われるようだ。

なんとなく感じることであると思うが、自然というのは本当によくできている。自然に逆らってはいけない。人間の都合の良いように自然を変えたいときは、あくまで「自然に起こりうる」方法・程度にとどめておくべきなのか・・・。