免許更新に際して

免許の更新に行った。前回までは優良ドライバーだった。前回の更新の直後、原付での車線変更違反をとられてしまった。赤信号で前に車がつまっているので、先頭の停止線まで原付を寄せたのだがその際に、隣の車線にはみ出したという。春の交通安全週間で、先方もノルマがあったかどうかは知らないが、とてもくやしい。文句を言える立場ではないが、もっと重大な違反を重点的に取り締まって欲しい。
そのため、優良ドライバーなら警察署で30分ほどで済むのが、今回は別の日にわざわざでかけて1時間の講習を受けることになった。そこでプログラムの1つの映画をみた。お決まりの事故現場の映像だろうと思っていたのだが・・・・。
以下映画のあらすじ。

ある自営業者が飲酒運転で加害者となり、子ども二人をはね、一人を死なせてしまい、もう一人は重い障害を残すことになってしまった。加害者は、ある日居酒屋で飲んでいるとき、大事なお客さんから仕事の急な依頼がはいったため、対応することにしたのが事の発端。酔いを覚ましてからのつもりだったが、電話で再度せかされて、つい酔いがさめる前に運転してしまう。雨の夜、事故は起きた。恐くなった加害者は救急車も呼ばす、逃走してしまう。
その後、加害者は深く反省して自首した。そして服役。加害者一家は損害賠償責任を負うため、マイホームも手放し、加害者の妻は昼も夜も一生懸命働き続ける。被害者のもとに何度も頭を下げに行くが、到底許してもらえず、毎回追い返される。被害者の家族のことが心配で、服役先からある人物に依頼して家族の様子を尋ねる加害者。ある人物とは、今回の事故後のそれぞれの家族のその後を追う調査に携わった記者。加害者は、被害者のその後の生活の様子をきいて、ひとまずは安心するが・・・。
そうして何年か経ち、妻は疲れきっていた。父親不在の中、自分の子どもたちとの関係も悪くなり、息子は非行に走り、妻はついに自殺をしてしまう・・・。自首後、罪を償うため服役してなんとかがんばってきた加害者だがその服役先で妻自殺の知らせを聞く・・・。
事件を回想して、記者が言った。
「今回の件で、大切なことを教えられた。それは、どんなときにも「勇気」が必要だということ。」
・酒を飲んだらどんな理由があろうと絶対に運転しないという勇気
・運転する予定があるなら、誘われても絶対にお酒を断る勇気
・事故の加害者になってしまったときは、被害者第一に考えて逃げずにまず救急措置を施す勇気

以上、フィクションではあるが、現実にはありうる話だ。
この映画をみて、涙をながしていたおじさんもいた。自分もいい映画だと思った。

もし優良ドライバーだったらこの映画をみることはなかった。事故を起こしてはいけないと、だれもがわかっている。でも現実に、事故は毎日のように起きている。慣れや気の緩みが原因の1つにあると思う。
もし事故をおこしてしまったらその後の人生はどんなことになるか?実際に加害者になった人は、身にしみてよくわかっているから、事故後しばらくは、相当慎重に運転をするはずだ。加害者になったことがなくてもこういう姿勢は、交通事故を減らすことに役に立つ。誰でも、その想像はできる。その想像力の違いが、交通事故を起こすリスクの違いにもかかわってくると思う。事故を起こすと、被害者はもちろんのこと、加害者もその後の人生が大きく変わってしまう。事故を起こすリスクは、運転者なら誰でもあることだ。たまたま、今まで事故にかかわらなかっただけの話だ。今後どういうことが起こるかわからない。賢い経営者は、自社が今後遭遇するであろうあらゆるリスクを想定し、それに備える。同様に一般人でも、交通事故への備えは必要だ。
交通事故について考えるいい機会になった。