消費者発の商品開発

良品計画が「空想無印」というホームページを開設している。「自分がほしいと思う商品のアイデア」を募集しているもので、誰でも自由に提案できる。提案に賛同する人はネットから投票し、一定数以上の得票があったものは商品化するという。

こいうった取り組みはとてもいいことだと思う。消費者は、今は存在しない自分の望む商品やサービスを受けることができるようになるし、企業も売り上げアップにつなげることができる。

お客様相談センターのような組織はあっても、「空想無印」の例のように、消費者の意見を収集して積極的に(そう、積極的に)商品化につなげようという動きをしている会社はまだ少ないと思う。将来的にはこういう動きが当たり前になってもいいと思う。日頃自分が商品やサービスを利用して「ここはこうしたほうがいいのではないか?」と思うことは多々ある。でもそれを組織的にくみ上げて次に生かす仕組み、インフラはまだ少ないと思う。

改善意見について、商品の場合はそのメーカーのお客様相談センターなどに伝えればよいが、サービス業の場合は特に機会が少ない。例えばスキー場で、混雑しているときに客の誘導がきちっとしていなくて長時間待ちを食らわされたとき、いつ誰にどう意見を伝えたらいいのか?接点のあった担当者に伝えたところで、ただの「お客様の意見」「苦情」としてとらえられ、意見はそこでストップし、それ以上の進展がない場合がほとんどだと思う。

また、ネット経由で文章が残るようにして、組織の上層部まで声が届く仕組みがあっても、相手(企業)が受身でとらえた場合にはやはり生かされない。(実際、大企業のお客様相談センターの機能は、苦情対応などがメインの仕事になっていて、今後の商品・サービス向上を大きな目的の1つとして位置づけ、その機能を100%活用している企業はまだ少ないのではないか?)

今回のように、企業側のほうから大々的に募集するといったくらいの取り組み、「ご意見をぜひ商品開発に活用させてください」といった姿勢が、企業には必要ではないかと思う。

多くの人が知恵をただで貸してくれるわけでだから、企業にとってこんなありがたいことはないと思うのだが・・・。