よろしくないな・・・

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ある大手コンビニの弁当や惣菜は「保存料・合成着色料不使用」をうたっている。食品添加物を嫌う世の中の「ニーズ」に応える形だ。
だが、このうたい方には首をかしげたくなる。あたかも「食品添加物」を全く使用していないかのようなイメージを抱かせるからだ。食品添加物のうち、保存料・合成着色料を使用していないだけであって、他の食品添加物は使用している。消費者が専門的な知識をもちあわせておらず、かつ「イメージ」でいろんなことを判断してしまうことをうまく利用しているように感じてしまう。
宣伝に使うのなら、「食品添加物のうち、保存料・合成着色料は使っておりません」というべきだ。

もう1つ。
食品添加物を嫌う世の中の「ニーズ」に表面的には応える形をとっているが、「食品添加物は体に悪いですよ」というスタンスを販売主体がとるとはどういうことか?正しい認識を消費者にもってもらうよう働きかけるのが業界の役割ではないか?
そもそも食品添加物は特に中食業界において「必要だから」使われるわけであって、また安全性等に関する相当厳しい試験をクリアしているものだ。過去においては必ずしも100%安全とは言い切れないものも存在し、消費者が本能的に食品添加物を回避するのは理解できる。でも食品添加物だからといって体に良くないと思い込むのはどうか?

例えば、ビタミンCは必要な栄養素として知られ、不足すると病気になったりするが、酸化防止剤として使用したときは食品添加物として表示が必要になってくる(栄養強化の目的で使用するときは表示の必要はない)。また、母乳に多く含まれるアミノ酸であるグルタミン酸の一ナトリウム塩は、5基本味の1つである「うま味」成分として知られるが、これも「調味料(アミノ酸等)」などと表示される食品添加物である。

消費者がそう思い込んでいるからそれに乗るのではなく、影響力のある業界として、正しい知識が普及するように努めるのがあるべき姿かと思う。