多様な働き方

2ヶ月ほど前の記事だが、松下電器が、ホワイトカラーのほぼ全社員対象(3万人)に、在宅勤務制度を導入するという。希望者は、週に1,2回在宅勤務ができるようになる。IT関連のインフラが整い始めていることだし、今後いろんな会社が導入してもおかしくはないと思う。
また、日清製粉は賃金を20%減額する代わりに、定期異動や長距離出張を最長5年間免除する子育て支援制度を導入した。(個人的には、子育てが理由でなくてもいいと思うのだが。)

価値観の多様化の時代といわれるが、今後会社が生き残るには、顧客に対する商品価値・サービスの向上以外に、その会社で働く従業員たちが満足して働ける環境づくりがとても重要視されるようになると思う。
終身雇用前提で、会社に一生面倒をみてもらおうなどという若い人たちはどんどん減っていると思う。会社側は、いい人材を採用しただけでは安心していられない。いかにして従業員が会社にずっと貢献してくれるか、常に魅力的な環境を用意しなくてはならない。

会社によって、利益の額や社員数、会社の規模、会社の体力など全然違うのに、どうして給与や労働条件はこうも横並びなのだろうと、常々疑問に思ってきた。週休3日の会社が出てきたが、もっと増えても全然おかしくない。1日の基本就労時間が7~8時間と画一的であることにも、特に合理的理由は見当たらないと思う。

なぜこれほどまでに画一的だったのか?
日本人は「みんなで渡れば・・・」の意識が根強いこととともに、ただ単に、今まではそれでよかったから??
新しい働き方、新しい世界を求めるまでもなく、みんなと同じように働き、何も考えなくても黙々とまじめに働けば、国や会社が守ってくれ、それなりに一生過ごしていくことができた。そしてそういう価値観がその世代の大半を占めるようになったのか。

でもこれからは違う。守るべきものは自分で守らなくてはならない。自分で選ばなくてはならない。自分の金融資産もそう、年金もそう。自己責任が叫ばれる時代。
環境の変化が激しくなってきた。一方で生活が便利になり、価値観が多様化してきた。
ワークライフバランスという言葉が頻繁に聞かれるようになった。残業を美徳とする社会もやがて終焉を迎えるだろう。

日本経済研究センターの八代氏が語るように、「今まで、日本の会社は定年まで働いてはじめて、会社への貢献と会社からの報酬の収支をあわせてきたが、今後は5年で収支が合うようにすべきだ。」
つまり、若いときは給料が安くて、そのかわり、定年まで働くことによって、退職金を含めてはじめて若い頃の安月給の穴を埋めてきたわけである。能力・実力・貢献度とは関係なく年功序列で賃金が上がる従来の日本企業のモデルは今後全く通用しなくなると思う。

先に述べた環境の変化に敏感に反応し、自ら変化していく企業が勝ち残れるのだと思う。